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【パイロット】課題研究:昇段を目指せ!(2016年10月の課題)

パイロット10月課題研究行書編です。

書き始めてみると、やはり微妙な字粒が気になります。

比較1 比較2 比較3 

比較的書きやすい字ばかりじゃないでしょうか。素直に全部B1で書けば良い気がします。でも、天邪鬼なので、ちょっとB2も織り交ぜてこなれた感じを出したい(´・ω・)無難なところで「里」や「策」あたりをB2ぽく書いてみたりしています。

【連綿】
連綿ポイントは、「なかで」「ゆっくりと」「する」ですね。「なか」とか「っく」とか「する」あたりが自然でしょうか。あまり連綿を多くするとクドいと言われそうなので、今のところ「っく」「する」の2か所で書いています。

【昇段を目指せ!】
書きぶりの話しです。

「ペンの光」7月号の石川先生の回顧録の記事の中で、故・三上秋果先生の書きぶりの話しが出てきます。

重要と思われる個所を数か所抜粋してみます。

”所が戦後まもなく当用漢字が制定されます。それまで千圃流をベースに指導してこられた三上秋果先生ですが、当用漢字の字体は必ずしも千圃先生の手本とマッチしない。その改訂を迫られて秋果先生独自の書風確立となります。”

”その千圃流ですが、教科書字体で楷書を書かれたということは一般的に言えば極めて普遍的、万人向きな書風ということが出来ましょう。しかし聊か口はばったいのですが、長年書に親しんできた目で改めて見直しますと甚だ俗っぽい、いわゆる筆耕屋的な風と言わざるを得ません。三上先生は、素堂先生、豊藤春海先生などを通じて唐様というか、当時もっとも本格的、最先端の中国金石派の書法を学ばれ、それにプラスして春堂先生の和様風を手に入れられた、天稟の才を以って和漢の長を併せ採られたわけです。”

”当時ペン字に目を向けた書家は勿論他にもいらっしゃいます。鷹見芝香先生とか三室小石先生などもそうですが、「かな」を専門とされる先生がたが多かった。いわゆる和様です。優美ではあるけれども明治以来の日本の唐様書風の需要という風気とは相容れないものがあって必ずしも一般向けではなかったと思われるところがあるのですが・・・”
(いずれも、ペンの光2016年7月号p.15より抜粋)

日ペンの字を「きれい」だと思う人が多いのは、かっちりと方形に書くいわば活字に慣れた我々には当然で、それは「唐様」の要素が多分に入ってるからだというわけです。それに対して、パイロットなどのその他の流派が「きれい」ではあるけれど、どことなく「おじいちゃん、おばあちゃんの字」みたいに見えるのは、「和様」を出自にして和風の手書きの字の書きぶりをベースにしているからのようです。

「唐様」というのは、字の通り中国風の書きぶりで、漢字ばかりを並べるためわりかしかっちりとした字粒・書きぶりで書く書風が特徴です。

それに対して、「和様」は、藤原時代に三蹟の1人小野道風に始まって確立されていった柔らかい日本独特の書きぶりです。

だいぶ逸れますが、基礎知識として唐様・和様について簡単に・・・
和様唐様
(江守賢治著「字と書の歴史」p.71)
AやBが唐様、Cが小野道風による和様

行成
三蹟の行成のかな
(江守賢治著「字と書の歴史」p.83)

カッチリとして力強い「唐様」に対して、柔らかく繊細で省略の美の「和様」です。
ちなみに、明治以前は、「和様」の”御家流”でなければ書にあらずとまで言われ、和様が主流でしたが、明治維新以後は「唐様」が公式文書の字として採用されて唐様が主流になっていきます。

さて、ペン字に戻りまして、こういうベースとなっている書きぶりの理解がないまま、両方の流派を学ぶと、やっぱり混乱するんじゃないでしょうか。それぞれの流派は、「うちの流派のお手本を書いて学びなさい」とやってるわけだから、あえて他流派のことを書かなくていい。勝手に習う側が複数の先生に手を出してるわけですから(^▽^;)そこは、自己責任で勉強して区別しなければなりません。(自分のこと棚に上げていうならば、「そういう努力を惜しむのなら二股かけるべきではない」ということですね)

そこで、今一度、それぞれの書きぶりを見比べてみましょう。

まず、三上先生の書きぶりです。
みかみりゅう    

左と真ん中が三上先生の字です。参考にペンの光の規定部課題も並べてみました。まったく書きぶりが違います。ペンの光の規定部は、三上流の字というよりは、日ペン流の字の書き方の基礎訓練みたいになっていて、「手書きの文」というより「字の基礎練習」を目的としてるように思います。
本来の三上先生の字でも、かなりカッチリした書きぶりで上の唐様を確かに思わせます。かっちりですから、臨書するとすれば字形・字粒をいかに揃えるかがポイントになるでしょう。

それに対して、かな書の先生だった狩田先生、鷹見先生の字です。
karita1.jpg 
(狩田巻山著「ペン字精習」)
takami.jpg
(鷹見芝香書,ペン時代より)

ちなみに、私も好きな川端比侶子先生のも・・・
karita.jpg
(川端比侶子著「ペン習字ハンドブック」)

三上先生の書きぶりと比べても、だいぶ違います。かっちりとした力強さよりも、柔らかさ・こなれ感を大事にしたい書きぶりです。

こう見ると、ペン習字の中では日ペンがむしろ特徴的な書きぶりだという感じがします。

パイロットの級位認定課題は、自運作品ですから、必ずしも誰かの真似でなくても構わないわけですが、審査は系統の先生がするわけですから「それぞれの流派の字形・書きぶり」を意識しないと「僅差の勝負」は難しいということになります(先生が系統から外れても評価せざるをえない有無を言わせない実力があれば別だと思いますが(^▽^;))。

少なくとも、ペンの光の規定部的な書き方したら、絶対あかん!ということが分かります。

比較

それぞれの流派のお手本で、これぞというお手本の書きぶりを意識して、とくにパイロットの和様をベースにした流派では、柔らかく全体の流れを意識して書かないと、上級での昇段は難しいように思います。(↑なぜ鷹見先生のを並べない!?(-"-)オイッ)




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2013年3月からパイロットペン習字通信講座を開始しました。
2013年7月から競書誌ペン時代を始めました。
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