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【パイロット】課題研究:昇段を目指せ!(2019年4月の課題)

平成最後の記事です(←ギリギリじゃん!突然思いついたでしょ!)
パイロット課題研究行書編です。

え?もう清書して出した?・・・気にしない、気にしない(´▽`)

まずは、漢字比較です。
漢字比較1
漢字比較2 漢字比較3  

字形として難しい字はありませんが、「入」が2回も出てきます。変化をつけて書きます。また画数が少ないので、少し小さ目に見えるように書きましょう。・・・まぁ、中上級の方に言うことじゃないですね。

連綿ポイントは、「もらった」のところか「でした」のところか。まぁ、連綿は無理に入れる必要もないので、無難に「でした」のところで入れておけばいいかと思います。

もうネタ切れで何度も書いてきたことの繰り返しになりますが、今回は、「イメージと思いこみ」について。

段位に入って二段で1年間幽閉されて、もがきながらも一番大事にしたことは、イメージトレーニングでした。もちろん、苦手な字形を毎回必死にとったり、よりスッキリ見えるように線を工夫して試行錯誤したりという練習はもちろんやるんですが、何度も書いていると自分で余計なデフォルメ・・・いや誇張や余計な書き癖が知らず知らず強まって、それがさらに思いこみになって、気が付いたら実は良くない方向へいってる・・・ということがあります。とくに、中上級で昇格がストップしていて半分投げやりになってると、よく調べもせずに慣れによる思いこみで書いちゃってることが・・・。

まず、いくら練習してもなかなか昇格しないし、段位も上がってくると今までと違って僅差で順位がつくことになるので、何をどうすればいいのか最初分からないわけです(´・ω・`)

そこでいろいろ試行錯誤するわけですが、ある日、某競書誌に載っていたお手本を見て、「あぁ、綺麗やな。こんな風に書きたいな。」とペン習字をはじめてから多分この時にはじめてそんな風に思ったのがこちら。
kadai_image_2.jpg

書き出しの「梅雨の夕晴れは美しい。」の一文が、漢字の本来もってる字形のすっきりした美しさも手伝って、綺麗に見えたんでしょう。もちろん、これは芝風会の宮田須美子先生のお手本なので美しくて当然なんですが。

以来、このすっきり感をイメージしながら練習しました。「ん?」となったら、このお手本を見て、このお手本の続きとして課題文を書くイメージ?

何か、自分がこんな風に書きたい!と思えるお手本を探して(できるだけパイロットのフォーマットに近いもので、当然パイロットの系統の先生が書いたものがいいです)、それを常にイメージして書く。もちろん、どう逆立ちしても先生のようには書けませんが、それでいいんです。先生の字にならなくても、自分の字が少しでもスッキリしたらいいんだから(´・ω・)

さて、そういうイメトレで書くと、前後にも文章があってずっと書いてきて、今この文章に差し掛かった・・・そんなイメージになってきます。つまり、課題文の前後にも文章があるイメージで、その中でしっくり来るかどうか。たとえば、こんなイメージ。

kadai_image_1.jpg
(↑この記事書くために急いで書いたので、下手くそなのは見逃しておくれやす(/ω\))

わかくさの優秀作品を見てください。書きぶりそれぞれだけど、上手な方の作品は、ジッと見てるとその前後に続きの文章が浮かんできて、しかもその人の手書き感が心地いい感じに見えてくるではありませんか!(←病気ですか?)いえ、見えてくるんです(-_-)

だからって、なんだということは実はありません(~_~;)先生がそんな風に見てるわけでもないだろうし、あくまで私のイメトレを紹介してるだけです。このイメトレはたぶん初公開です。何しろこれをやるべき根拠も理屈も言えないから・・・。これが功を奏してるのかどうかも分かりませんが、このイメージで見ると、作品の安定感みたいなものがなんとなくわかる気がする・・・気がするだけかも(/ω\)

イメトレは、常に自分で書いたものを客観的に見ることが大事です。何度も何度も書いていると、自分の思いこみによる書き癖がまた染みついちゃうから。書き込んで、書き込んで、書き込み過ぎたらいったん机から頭を上げて、自分の目指してる書きぶりのお手本をジッと眺めて、あらためて自分の書いたものを見てみる。このお手本の続きとしてこの文があったら、どれくらい近づけて書けてるか。そういう目で自分の書いたものを見直してチェックします。

二段突破してから七段に上がるまで、このイメトレがかなり役に立ったんじゃないか・・・と勝手に思いこんでます(^▽^;)

平成終わりなので、何の根拠もないイメトレ法を開示して・・・
平成よさようなら・・・( ´Д`)ノ~バイバイ

(ブログは終わりません。令和になってからもよろしくです。)






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【パイロット】課題研究:初心者昇級への道(2019年4月課題)

お待たせしました!(誰も待ってません・・・)
パイロット課題研究、楷書編です。

さて、今月の課題は、「入学祝にもらった万年筆は、 名前入りでした。」です。
SNSでは、ペン習字始める方は万年筆好きという方が多いですが、パイロットさんさらっと宣伝入れてきました(-ω-)かくいう私も、最初は万年筆で綺麗な字を書きたいというところから始めましたが、最近は綺麗に書くならゲルボールペンが一番じゃね?ってなってしまっていけません。

わかくさ通信の注意点
・「」・・・「祝」は9画で書け!
・「学」の書き出しの筆順に注意!
・「万」の筆順に注意!
・・・2番目のは、毎回チェックポイントで誤字が指摘されるのですが、こういう間違いを書く人がまだいるのでしょうか??ってなります。皆さん、大丈夫かと思いますが、「ツ」のつもりで書いたけど、字形が悪くて「小」みたいになったとかいうケースもありますから注意しましょう。

誤字・脱字・規定外注意報!
・「入」の字は、簡単なようでいてやはり字形が悪いとチェックの入る字です!
・〇「入学祝」です!×「入学祝い」にならないように!送り仮名チェック!
・「萬」は旧字体です。パイロットでは、旧字体はチェックが入るので使わないように!

では、漢字比較を。
漢字比較1 漢字比較2

今回は、普段もよく書く字ばかりです。
「入」の字は、左払いと右払いの角度がだいたい同じになるように書きます。「人」と「入」は左右反転しただけではなくて書き方が違いますので併せて注意しましょう。二画目の出だしは、三転折で書くつもり(ただし柔らかく)で書きます。小学校のような書き方にならないように注意します。
「学」は、前回に引き続きですね。つかんむり、「子」ともに頻出の形なのでしっかり練習するといいです。
「祝」の「しめすへん」、2画目の折り返しのところは思っているより鋭角に折り返します。3画目は足長に。「兄」の方は、「口」を小さ目に書いて、「にんにょう」も頻出の形なのでしっかり練習しましょう。最後のハネは上へ。
「万」は、書き順と字の外形に注意します。逆三角形になるように。
「年」のヨコ画は、等間隔にしません。2本目と3本目の間は少し広くとります。3本目のヨコ画は、左の方が少し長くなります。その分最後のタテ画は、心持ち中心より右側に来るといいでしょう。
「筆」は、「たけかんむり」が頻出パーツなのでしっかり書き方覚えましょう。下の「聿」はヨコ画を等間隔で。それぞれの線の長さにも注意。
「名」の「夕」の部分、こんなふうに斜角が並ぶ場合は、微妙に角度を変えて開き気味に書きます。「口」は中心より少し右に。
「前」は、縦横の画が沢山あります。それぞれの間隔に注意して書きます。「月」の部分、下を揃えて。「月」の一画目は、止めても流しても構いません。

ワンポイント講座
4月からはじめた人は、今回は初のお清書ですね。
書いてみればわかると思いますが、パイロットの清書用紙には、魔物(!)が棲んでます(´Д`)なにしろ、1枚きりしかない清書用紙で、普段練習に使っている便箋やコピー用紙とは全く異次元の書き心地(しかも、けっして書きやすくない!!!)。手はガクガクブルブル震えるわ、息ができなくて酸欠におちいり、脂汗が滝のように流れ、用紙にもジワリと汗が滲む・・・と、その時、ギャー!!!線がとんでもない方向へ!!!((((;゚Д゚)))ガクガクブルブル

・・・大げさと思うでしょう?(´Д`)ホントにこうなります。清書が終わった後は、しばらく途方もない虚脱感で何も考えられなくなるでしょう。

まぁ、一度味わってください(笑)こんなことを何年もつづけている先輩たちをふたたび尊敬することになるでしょう(笑)

でも、心配はご無用!パイロットの清書用紙は、追加購入ができます!今すぐ事務局へ連絡して、5冊くらい大人買いしましょう!1冊1,000円+税で購入できます!→「追加の清書用紙の購入」

・・・いや、今回はこれがアドバイスじゃありません(^^;

今回は、構成のお話し。
字形の練習、線の話と書いてきて、次は構成です。構成とは、それぞれの字粒(字の大きさ)、字間(字と字の間隔)、上下左右の余白などからなる作品全体の書き方です。字をどんなふうに並べるかということで、「布置」という言葉もあります。

初級では、ひとつ1つの字形ばかりに気をとられて、そんなことまで気が回らないし、そもそも「余白の美」ってなんだ?って感じだと思いますが、上級になるとこの構成こそがもっとも重要になります。字と構成(字の並べ方)が絶妙なバランスを保ちつつ書けているか、が上級の審査のポイントです。これで作品全体の印象が決まります。

ところが、中級・上級の人でも、初級のころのクセで字形にとらわれて構成を疎かにしがちです。活字やカッチリした書き方に慣れた現代人は、一字一字の字形がどうしも気になるということもあります。だけど、いくら一字一字がカッチリ書かれていても、作品全体の印象がイマイチだとペン習字ではあまり評価してもらえません。むしろ、全体の印象さえ良ければ、少々の字形のブレは気にならない、気にさせないものです。

・・・とはいっても、初級の方はどうしていいやらですね。もちろん、初級の人は、まだまだ楷書の字形をとったり、ペンに慣れて綺麗な線を出したりすることで精一杯だと思います。上級のような微妙な構成なんて求められていません。が、初級もやはり作品全体のバランスは同様に大事だということです。

次のことに注意しながら書きましょう。

1.字粒に注意する
手書きの文は、活字とは異なり、漢字・ひらがな・カタカナの字の大きさを変えることで美しさを出すことを旨としています。わかくさ通信でも、よく書かれてますが、漢字:ひらがな:カタカナは、10:8:7で書きます(流派などによって微妙に変わります)。

同じ漢字でも、画数の少ない字は小さ目に多い字は大きめに書きます。ひらがなでは、「こ」や「と」や「め」や「る」は小さ目に書きます(「ことめる」と覚えますが、これも流派によってそれ以外を含める場合もあります)。

具体的に、どれくらいの大きさで書き分ければいいのかは、わかくさ通信の参考手本を拡大コピーして確認しましょう。

2.上下の余白を適切にとる
わかくさ通信に載っている優秀作品の中でも、上下の余白を褒められていたり、逆に良い作品だけど上下の余白に注意するようにと書かれていたりしますね。上下、左右の余白が適切だと、ぱっと見の安定感が増します。

わかくさ下敷

最近はあまり載ってませんが、昔のわかくさには、こんなふうに書かれています。下敷きは「邪道」な感じがするのか使わないという人もいますが、初級の方は是非使いましょう。そのうち慣れてきて、中・上級にあるころには下敷きなしでも書けるようになりますが、字形も線質も構成も・・・と慣れないづくしの初級で無理する必要なんてまったくありません。

中・上級の方でも、私は必要なら下敷き使うべきだと思います。下敷きなくてもそりゃ書けますが、普段の日常の筆記と競書や作品の筆記は別だと思うからです。日常の筆記は、練習なんてしないし、一発勝負だし、そこそこ綺麗に書けていればいいわけです。でも、日常の筆記をそこそこ上手く書けるようになるために練習しているのがペン習字であり、さらに競書や作品づくりは十分に練習して万全を期して実力を最大限発揮して競うものです。何度も練習して万全の準備をしていながら、下敷きは邪道だとかいうのはナンセンスだと思います。そういうのは競書や作品も一発勝負で書けるようになってからでいいと思います(まぁ、その時はわざわざ競書なんて出さなくていい無鑑査達人ですが)。

3.初級のうちは、とにかく元気よくのびのびと(・・・と見えるように・・・)
パッと見の印象がいちばん大事だということは、見た人に心地よさを与えるということです。いくら字形が整っていても、カチコチに委縮した字でチンマリ書かれていては、ぜんぜん心地よくありません。どうせ下手くそなら、元気よくのびのび書かれているように見える方が、断然好感が持てて心地いいものです。

ただし、いくら元気よくのびのびとといっても、何も考えずに大きな字で書けばいいってものでもありません。要は、「のびのびして見える」ことが大事。じゃあ、どうすれば「のびのび」見えるのか。これは、ちょっと難しいですが、とりあえずは、ペンをできる限り軽く持ち、ペン先の可動範囲を広くとるように心がけるのが一番です。そうすることによって、自然と自分の目も文字全体、文全体を見ながらゆったりと字を書くようになっていきます。筆圧強く力強い線で書かれていても、のびのび見える作品は、ペン先がよく動いていてゆったり書いているのが分かるものです。練習の時に、いろんな書き方をしてみて試してみましょう。イメージトレーニングで、ゆったり書いてるイメージするのも効果的です。

・・・そりゃ、言うのは簡単だけど、そんなの言葉で言われたってどうしていいんだよ!(´・ω・`)

・・・きっと、そう思うと思いますが、大事なのは「心がけ」です!「心がけ」と「試行錯誤」を積み重ねるのが「道」の鍛錬と心得たり!です。精進、精進・・・(-人-)南無・・・(←無理やり誤魔化そうとしてる!)


では、今月も頑張りましょう。


【パイロット】2019年4月のお稽古

それでは、パイロット4月のお稽古の準備です。
なんだか、最近SNSの方では、やたらと早くに清書をしちゃう方が増えてきていて、準備や課題研究の記事が周回遅れみたいになってますが(*_*)初心者の方は、できるだけ練習時間とってくださいね。

わかくさ通信4月号が届いてます。
4月からパイロットを始める方も多いと思います。新入の方は、要領つかむまで少しかかるかもしれませんが、わかくさ通信はしっかり目を通して、先輩方の練習を参考に頑張ってください。

第443回級位認定「高級なチョコレート菓子・・・」)の結果は、いかがでしたでしょうか。私は、「級」の字とひらがなを失敗してしょげてたにも関わらず、またまた高評価でいよいよ「超ローカルな中での壮大なドッキリ説」が信憑性をおびてきました(´Д`)素直にドヤ顔していいのかどうか・・・。

ちょっと気になったので、過去にさかのぼって、七段トップ10に入っている人を拾ってみました。七段は、パイロットでは無鑑査で「天・地・人」の区別はありませんが、一応出来のよい順に並べられているとして、トップ10の入れ替わり具合を見てみると、やっぱりトップ10の常連さんがいらっしゃって、一昨年の7月から今月号まで(22カ月)で、10回以上トップ10入りしてる方が6名、最高は15回という方がいらっしゃいました。7,8回という方も含めると10名くらい。上手な方は、安定して成績を保ってらっしゃることが分かります。

そういえば、これまで昇格してきた時も、天入りが何度か続いて昇格するという感じでした。審査の先生が何を重視するかで多少順位は変わると思いますが、毎回の課題を安定して書けるように練習するということは大事かもしれません。

さて、今月は「かな」を学びます。
添削課題は、初級が101、中級が201、上級が301です。
B系統初級は、こちら
B系統中級は、こちら
B系統上級は、こちらです
昨年は初級を書いてきたので、今年は中級へ進みたいと思います。3回目の中級です。
201-B_20190414132040f4a.jpg

級位認定課題は、「入学祝にもらった万年筆は、 名前入りでした。」です。
パイロットの宣伝みたいな・・・。また「学」入ってるし・・・(´Д`)ここんところ、同じ字ばかり書いてるような・・・。

とりあえずの自作手本です。
自作手本

楷書はいいんですが、行書を見るとこんな字が・・・。
筆_行書1_三体_間違い
え?くさかんむり!?(; ・`д・´)
筆の字の行書が「くさかんむり」になってる!B系統の三体は、字がホゲホゲはしてるけど、まさかこんな間違いも!?

・・・仕方がない、古いペン時代から筆の字探すか(´Д`)そういえば、古いペン時代に三体の連載があった。

筆_三体_ペン時代
うぉ!書写体でしたか!(@_@)知らなかった・・・

ということで、行書の「筆」はこちらから取りました。書写体なのでセーフだとは思うのですが、まぁ危険は犯さず素直に「たけかんむり」で書いておいたらいいと思います。

では、また課題研究で・・・

あ、ペン時代も清書したので載せようと思ったのですがスキャンするの失敗してて画像がありませんでしたm(__)m




【パイロット】2019年3月のお清書

すでに投函してますが、パイロット3月の清書をしました。

今月は、「女子学生」「記念写真」と四字熟語が続いて、字粒や中心を取るのが難しかったですね(´・ω・`)記念写真は、さんざん練習したのに失敗しました(+_+)

添削課題です。
π_20190407_添削

パイロット始めて、最初に出した課題です。懐かしかったですが、あまり上手く書けませんでした(´・ω・`)今年は添削課題も少し頑張ると決めて、いつもよりは練習したんだけど。

級位認定課題
π_20190407_級位認定
練習では、つい「ひとやね」を豪快に書きすぎて念が大きくなりがちだったので、清書では気を付けすぎて委縮してしまいました(*_*)1行目余裕あるのに2行目が委縮していて、バランス的には失敗した感じです。

気を付けたのは、やっぱり「記念撮影」です。画数の多い字が続くので、書きぶりで少しでも明るく見せるために懐広くとって書くように練習しました。あと、SNSの皆さんのを見ても、まっすぐ見えるように書くのに苦心されてたみたいです。中心線は意識してても、左右の両端を揃えないとまっすぐ並んでるように見えません。とくに、「影」の字の「さんづくり」を右端にそろえるように書けなくて苦労されてる人が多かったように思います。

さて、4月も頑張りましょう。


新元号「令和」の字体について

世の中は、新元号に沸いてますね。
とくに、書写、書道の界隈では、早速書いてみたという揮毫がTLを埋めています。

その中で「令」の字につていは、ワイドショーでも取り上げられるくらい物議を醸しています。みんなそんなに漢字に興味あったっけ?普段からそんなに気にしてたっけ?(-_-)っていう感じです。みんな騒ぎすぎ・・・

・・・とは思うのですが、意味的な問題はともかく、字体についてはペンシュウジャー(なに?)にとっては、どう書けばいいの?というのは重要な問題なので書写、書道的に私見をまとめておきます。

問題となってるのは、「令」の楷書の字体で、世の中に出回ってる字体が概ね次の三種あって、結局どれで書 けばいいの?ということでしょうか。
三種

官房長官が示した揮毫は、下の部分が「卩」になったAの形でしたね。それに対して、私たちが学校で習い、普段書いている形が「マ」の形のBが多いです。さらに、活字のように三画目がヨコ画になったCも印刷物などでよく見ます。もっと細かく言うと、4画目を「マ」のように書くか、「卩」のように書くかでも分かれています。

書写、書道に関係なければ、どれも一定の市民権を得てるから「どれでもええやん!」と思います。普段手書きでろくすっぽ書かないのに、なんで急にこだわるの?と奇異にも思います。

ちまたの”センモンカ”(なんでカタカナ?)の意見は、おおかたが「どれも間違いではない」だと思いますが、その説明がなんか微妙に気持ち悪い(´・ω・`)

■「書き文字と印刷文字の慣習の違い」?
これが一番気持ち悪い説明です。たしかに、活字ではCの形が多いですが、じゃあCの形が手書きで書かれてこなかったのかといえばそうでもありません。

IMG_8498[1]

書道字典をめくれば、だいたいどの形もあります。
「手書き文字と印刷文字との習慣の違い」というのは、現代の活字文化になってからに限定した説明であって、書いてる人は手書きでいろいろな形で書いてるわけです。

■3画目をヨコ画、最終画をタテ画で書くのは、隷書の名残
どちらでもいい、と説明する「センモンカ」の人でも、こういう言い方する人がいます。この説明もちょっと気持ち悪い。

漢字の移り変わりは、確かに時代とともに変わってきて、甲骨・金文の時代から篆書・隷書になり、草書、行書、楷書へと変わってきました。楷書については、だいたい唐の時代(西暦700年前後)にその形が確立したと言われています。楷書の極測と言われている「九成宮醴泉銘」や「孔子廟堂碑」は初唐(600年代)に書かれています。

上の書道字典を見ると、「九成宮醴泉銘」では最終画をタテ画で、「孔子廟堂碑」には「令」の字が見当たりませんが、同時代の三大家の一人である褚 遂良の「雁塔聖教序」では「マ」の形で書かれています。「九成宮醴泉銘」が632年ごろ、「雁塔聖教序」が653年ですから、この20年の間に書き方が変わったのか?

たしかに、当時、唐の太宗がいろんな書き方のある漢字を整備しようとしたので、このあたりで何かのアクションがあったかもしれません。九成宮醴泉銘は隷書の名残を残し、雁塔聖教序は新しい書き方をしたのかもしれない。

でも、それは当時の話で、1300年経った今日で「卩」で書くのは隷書の名残だ・・・なんて説明はナンセンスじゃないかと思うわけです。漢字は、甲骨文字から楷書まで有機的に変化してきたものなのだから、名残といえば全部名残になります(´・ω・`)

■日本の楷書の書き方問題の多くは近現代に入ってからの話
ペン習字、硬筆書写で問題となる漢字の書き方の問題は、むしろ近現代に入ってからの話だと思うわけです。古くは「康煕字典」も多くの問題を残したのですが、要するに、時の権力者が「漢字いろいろありすぎ!どれかに統一しろよ!」と無理やり決めさせるということが、長い歴史で幾たびも起こり、我が国では、戦後の当用漢字、常用漢字、教育漢字の制定でさらに大きく変化させた書き方の「標準規格」が作られた問題がいちばん直接的な問題だと思うわけです。

とくに、戦後の当用漢字では、GHQの命令で「日本の漢字、ヤヤコシイし、ムツカシスギマ~ス!」ということで、できるだけ簡略化したりひとつの書き方に統一しようとしたりしたのが、大きな混乱を巻き起こすわけです。当時の国語・漢字学者たちがカンカンガクガクしたのは、議論に参戦していた江守先生の本などを読むとよく分かります。

江守先生の本を読むと、「漢字の書き方はいろいろあって、国の事情で形決めるのはいいけど、違う書き方が間違ってるわけじゃない!」と強く手書き文字の自由さを主張しているわけです。昨日今日出てきた「センモンカ」たちが第一人者みたいな顔してインタビュー受けてたりするのが滑稽です。

この当用漢字で定められた標準の字体問題は、ほかにもっともっと問題となる字がいっぱいある中、こと「令」の字については、「卩」の書き方も「マ」の書き方も近代まで伝えられていて、学校教育では「マ」で書こうね、という以外は「卩」も「マ」も両方日常で使われてきた字で、いわゆる標準字体問題としてもそんなに問題な字ではありません。

■ペン習字でどっち書けばいいのん?
じゃあ、肝心のペン習字、硬筆書写ではどっち書けばいいのか?
ペン習字、硬筆書写といっても、このブログでも書いてきたように、流派によって考えがいろいろ変わります。

一番大きいのは、「文科省硬筆書写技能検定」準拠かどうか。
多くのペン習字の流派は、硬筆書写技能検定に準拠してることを謳ってます。他にも、いろんな毛筆書道の流派でも硬筆部門がありますが、毛筆の流派では毛筆が主であって、あまり「標準規格」を意識していないところが多いように思います。

硬筆書写技能検定は、文科省が後援している資格試験ですから、楷書は文科省の標準に準拠して教えるのが原則になってます。常用漢字や学校教育漢字の標準の字体を意識せざるを得ません。学校教育では、「マ」の形で教えるのが標準になっていますからBの形で書くのが無難ということになります。ただし、常用漢字では手書き文字の習慣による許容の字体も定められていて、最近はとくに許容の字体を書いても間違いじゃないことが強調されつつありますから、Aの形でも許容されると思いますが、その辺は流派や講座によって判定基準が話し合われることでしょう。間違いじゃないけど、どっちが望ましいと「する」か・・・くらいの問題だと思います。

パイロットは、硬筆書写技能検定準拠ですし、系統の字典でも「マ」の形で書いているものが主ですので「マ」の形で書いておけばいいわけです。

文科省、文化庁スタンダードじゃなければ、どちらを書いても構わないということになると思います。だから、「書道」の人がどっちが好きか、とか、「流派」ではどっちが好きか、という問題でしかありません。そこに正しい、間違ってると言える基準はないと思います。

IMG_8516.jpg
甲骨・金文~楷書まで


プロフィール

@Sai

Author:@Sai
ようこそ@Saiのブログへ!
本ブログは、私の趣味の記録です。趣味の勉強ノートと割り切ってるので、お見苦しい個所も多々ありますが、よろしければご笑覧ください。
このブログは、2013年6月より開始しております。
2013年3月からパイロットペン習字通信講座を開始しました。
2013年7月から競書誌ペン時代を始めました。
2015年4月から競書誌ペンの光を始めました。
2015年12月からお遊び毛筆始めました。
パイロットペン習字通信講座(B系統)、ペン時代、ペン習字、その他・・・


【常設記事】
ペン字・ペン習字用語集(随時更新)
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